平成21年度 実績報告書
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教育研究プラットフォームIDER研究成果/IDERユニット様式4グローバルCOEプログラム-次世代電子デバイス教育研究開発拠点-平成21年度IDERユニット研究成果報告書1.IDERユニット名称等ふりがなひさたけしんたろう役職ユニットリーダーの氏名・役職久武信太郎助教所属(部局・専攻・講座)基礎工学研究科・システム創成専攻・光エレクトロニクス講座連絡先TEL06-6850-6339e-mailhisatake@ee.es.osaka-u.ac.jpユニット名称(日本語名および英語名の両者を記入)(日本語)先進的光電気インターフェイス開発ユニット(英語)Advanced optical electrical interface2.研究開発の概要および平成21年度の研究進捗状況と成果提案した研究開発課題の背景、目的、および年度当初の計画について記入してください。また、提案した研究内容に関する進捗状況、成果について自由に記述してください。近年,光フェーズドアレイアンテナ,電気光学変調器(Electro-optic modulator; EOM),Radio-over-Fiberシステム,電気光学サンプリング(Electro-optic sampling; EOS) に代表されるような光領域の技術と電気領域の技術との融合に関する研究がますます重要になってきている.このような領域はいわゆる光と電気のインターフェイスに関連する領域であり,(1)高速性などの光の特長を生かした電気・電波の発生,制御,検出と(2)安定性などの電気の特長を生かした光の発生,制御,検出が基本技術である.本ユニットは,電気(電波)領域(〜100GHz),光領域(10THz〜)それぞれの特長を生かした光電気インターフェイスに関連する技術開発を進める.特に電気と光との間の暗黒領域と従来呼ばれていたTHz波領域(100GHz〜10THz)も対象とする.具体的には,アンテナ技術を光領域に適用した局在光の発生や,電気信号に基づく光波の高速制御,光技術によるTHz波の発生・検出とその応用,電気信号の光プロービングによる高速電子デバイスやアンテナの評価,高速光変調技術に基づく高感度THz波検出器の開発等をターゲットとし,超高速電子デバイス,ミリ波デバイス,超高速光デバイスの発展に寄与することを目的としている.平成21年度はEOSシステムの高感度化,THz波ホモダイン検出システムの構築と安定化,それを用いた分光基礎実験や従来のアクティブアンテナを拡張した構造について検討した.その中からアクティブアンテナに関する進捗状況と成果を以下に詳述する.アクティブアンテナは発振器を構成する共振器に電波漏洩構造を設けることで放射効率を向上する技術である.電子デバイスの不要放射源となる電流分布を分析して所望の電流分布となるよう配線構造を工夫すれば不要放射を積極的に制御できる点に着目し,基本構造を検討した.図にアクティブフィルタ型のアンテナを示す.バイカッド型バンドパスフィルタを抵抗接続帰還ループを構成するよう従属接続するとループ共振器として動作する.この共振器を基本モードで励振したとき,フィルタの接合部となる平行二線に同一方向に流れる電流ペアが漏洩構造となって電波を放射/受信する.実際には,このような放射要素を多数配列することで,平面状に分布した微小電流素を電波放射源として利用する.回路の配置を工夫することで所望の指向性を合成できると期待できる.図にバイカッド型アクティブアンテナのインパルス応答を示す.I1とI2が互いに同相で励振されていることがわかる.次年度は高周波化,集積化したアンテナ構造を光プローブにより励振電流分布を計測し,高い放射効率を有する小型アンテナ実現への足がかりとしたい.80

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