平成21年度 実績報告書
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教育研究プラットフォームIDER研究成果/IDERユニット様式 4 グ ロ ー バ ル C O E プ ロ グ ラ ム - 次 世 代 電 子 デ バ イ ス 教 育 研 究 開 発 拠 点 - 平 成 2 1 年 度 I D E R ユ ニ ッ ト 研 究 成 果 報 告 書 1. IDER ユニット名称等 ふりがな ふじい あきひこ 役職 ユニットリーダー の氏名・役職 藤井 彰彦 准教授 所属 ( 部局・専攻・講座 ) 大学院工学研究科・電気電子情報工学専攻・尾崎研究室 連絡先 TEL 06 - 6879 - 7758 e - mail afujii@eei.eng.osaka - u.ac.jp ユニット名称 ( 日本語名および英 語名の両者を記入 ) ( 日本語 ) 次世代高効率有機光 電デバイス創製ユニット ( 英語 ) Research Unit for Advanced High - Performance Organic Photovoltaic Device 2.研究開発の概要および平成21年度の研究進捗状況と成果 提案した研究開発課題の背景、目的、および年度当初の計画について記入してください。また、提案した研究 内容に関する進捗状況、成果について自由に記述してください。 フラーレンは共役ポリマーとの相互作用により、超高速の光誘起電荷移動を示し、高効率の光電 デバイス応用へと発展する ものと考えられている。高速、高感度の光電デバイスへの期待が大であ るものの、理想的な分子複合界面の制御に関する決定的なブレークスルーが報告されておらず、未 だに単純な分子混合、積層構造、分子構造の改良等が主流となっている。有機光電デバイスにおい て効率的な光電変換を得るためには、ドナー/アクセプタ界面面積が大きい上に、電荷輸送経路が 確保されている必要があるが、従来技術では、 200 - 300 ナノメートルの薄膜中にドナー分子とアク セプタ分子のネットワーク形成において効率的な光誘起電荷分離と電荷輸送の両立が困難であっ た。 そこで、本研究では、共役ポリマー/フラーレン分子界面構造のサイズが励起子拡散長以下に相 当するスケールとするための作製要素技術を確立し、その微細な界面構造において、ドナー層、ア クセプタ層内の微結晶化もしくは高配向化した構造となるための作製技術を開発し、光電変換特性 の大幅な改善 を行い、次世代 有機光電デバイスの創製を図る。 今年度の研究計画を以下に示す。 (1)共役ポリマー/フラーレン相互浸透界面の作製手法として、有機溶媒スピンキャスト法によ る3次元微細加工技術を用い、電気的測定、光学測定や XRD 、 TEM 、 SE M 、 AFM を用いた構造評 価を行った上で、その有効性を明らかにする。さらに共役高分子/フラーレン相互浸透界面 をもつ光電デバイスを試作し、その基礎特性とデバイスの効率評価を行う。 (2)有機半導体ナノ粒子、金属ナノ粒子等を用いた薄膜形成を行い、局所電場増強を利 用した電荷分離現象を明らかにし、電荷分離層及び電荷輸送層としての有効性を示 す。 (3)電極表面形状のナノ構造化、 種々の酸化物半導体のナノ構造体 の作製技術を確立し、有 機/無機界面構造の最適化を行う。電極界面における光の反射、散乱を抑制し、効率 よくドナー/アク セプタ界面近傍で吸収されるようなデバイス構造を探索する。 今年度の 進捗状況、成果を以下に示す。 (1)有機/金属界面に電荷取出層としての金属酸化物半導体の MoO 3 と ZnO の超薄膜層を 挿入し、電子・光物性及び、光電変換特性の評価を行った。評価パラメーターすべて の改善に成功し、光電変換効率が向上した。 (2) 金属ナノ粒子をドナー層、アクセプタ層、有機/有機界面、有機/酸化物半導体界面 に導入した素子の作製に成功し、その光電変換特性を明らかにした。 (3) ITO 電極上に電解析出法により 酸化 亜鉛ナノピラー構造の作製に 成功し、作製条件と 光電変換特性の関係を明らかにした。 78

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