平成21年度 実績報告書
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教育研究プラットフォームIDER研究成果/IDERユニット様式4ググロローーババルルCOEププロロググララムム-次次世世代代電電子子デデババイイスス教教育育研研究究開開発発拠拠点点-平平成成2211年年度度IDERユユニニッットト研研究究成成果果報報告告書書1.IDERユニット名称等ふりがなおざき のりまさ役職ユニットリーダーの氏名・役職尾崎 典雅助教所属(部局・専攻・講座)大阪大学大学院工学研究科電気電子情報工学専攻先進電磁エネルギー工学講座高エネルギー密度工学領域兒玉研究室連絡先TEL06-6879-7802e-mailnorimasa.ozaki@eie.eng.osaka-u.ac.jpユニット名称(日本語名および英語名の両者を記入)(日本語)革新的電子デバイス材料探索ユニット(英語)Research unit for exploration of new materials toward innovative electronicsdevices 2.研究開発の概要および平成21年度の研究進捗状況と成果提案した研究開発課題の背景、目的、および年度当初の計画について記入してください。また、提案した研究内容に関する進捗状況、成果について自由に記述してください。 社会に急激に浸透し大きな変革をもたらし、現代の社会的要請に応える“新デバイス”に寄与し得る革新的な新物質、新材料、新プロセスを実証・創造する。 物質を加圧して最外殻電子が非局在化すると、常温常圧で絶縁体の物質においても金属化が促される。衝撃波を用いたパルス圧縮法では、鋭い立ち上がりで加圧が行われ、且つその後圧力・温度の急激な減衰を伴うので、物質高圧相がしばしば凍結される。高強度レーザーを用いた衝撃圧縮法では、従来法では実現できないさらに高い圧力を生成できるだけでなく、ps-fsの極めて急峻な特殊パルス反応場が形成され、これ迄検討され得なかった極超高圧相を凍結できる可能性が見いだされた。近年では、レーザーパルス整形によって積極的に加圧・除荷過程をコントロールしたプロセスも可能になってきている。この非接触なレーザーの方法によれば、集光照射された微小空間や物質内部への物質変成作用が原理的に可能となる。 本研究ユニットでは、高強度レーザーを用いた動的圧縮法により、これまで実証されていなかった絶縁体・半導体の金属転移を実現、および状態のその場診断を行って、新物質創成の方法論の構築や指針を示す。昨年度の基本的な半導体(シリコン)に関する研究成果として、レーザー照射後試料の回収及び解析から、数10 GPa領域に存在する種々高圧相の凍結が世界で始めて確認されている。しかしながら現状では、これらの相がどのように発現し、どのような過程を経て常温常圧で凍結されているのかは、推測の域を出ていない。そこで、開発を行ってきた新しい加圧技術、新しい診断技術を用いて、衝撃超高圧縮過程における金属相転移の観測、および相転移後の圧力解放履歴と状態のキャラクタライズを行う。極超高圧且つ低温の状態を実現するために、開発した新しい「準等エントロピー圧縮法」と「衝撃波反響圧縮法」などを用いて圧縮し、新しい診断法である「放射輝度・色温度計」、「X線トムソン散乱」などを用いて実時間でキャラクタライズする。これによって新物質凍結のための展開の足がかりを得る。平行して、前年度回収解析されたシリコンサンプル中の相が金属性であるかどうかの評価を行うとともに、GaNを始めとするワイドバンドギャップ半導体の回収解析実験を展開する。 具体的な研究成果は、1)静動ハイブリッド圧縮法の圧力上昇メカニズムが明らかになった。2)プリコンプレスされたH Oターゲットのオフユゴニオ状態温度計測に成功した。3)速度干渉計、放射輝度温度計を用いて炭化水素化合物の液体金属相転移を観測した。4)同様に、水素の金属転移を観測するとともに衝撃圧縮曲線において同位体効果を実証した。5)プラチナに関する等エントロピー的圧縮曲線を全く新しい方法で20 GPaまで決定した。6)単一衝撃圧縮下のダイヤモンドからのX線散乱計測に成功した。7)同じくダイヤモンドの時間分解ラディオグラフィによる密度計測に世界で初めて成功した。8)ダイヤモンドを予備圧縮するためのGGG結晶状態方程式を計測し、異常体積変化を発見した。9)フェムト秒レーザーショックシリコンの回収試料において電気伝導度の計測に成功した。10)フェムト秒レーザーショックGaNの回収に成功した。276

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