平成21年度 実績報告書
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教育研究プラットフォームIDER研究成果/IDERユニット様式4グローバルCOEプログラム-次世代電子デバイス教育研究開発拠点-平成21年度IDERユニット研究成果報告書1.IDERユニット名称等ふりがなもりのぶや役職ユニットリーダーの氏名・役職森伸也准教授所属(部局・専攻・講座)大阪大学大学院・電気電子情報工学専攻・集積エレクトロニクス講座連絡先TEL06-6879-7731e-mailnobuya.mori@eei.eng.osaka-u.ac.jpユニット名称(日本語名および英語名の両者を記入)次世代高耐圧・超高速デバイスの実現に向けたシミュレーション技術の開発Simulation Technology for Electronics Devices Innovation2.研究開発の概要および平成21年度の研究進捗状況と成果提案した研究開発課題の背景、目的、および年度当初の計画について記入してください。また、提案した研究内容に関する進捗状況、成果について自由に記述してください。本ユニットでは,次世代の高耐圧・超高速デバイス開発支援に向けたシミュレーション技術の開発を行うことを目的とする.シミュレータを開発することにより,結晶成長が難しく実験試作が遅れているデバイスの特性(耐圧,高周波特性など)について理論予測を行い,デバイス構造・回路構成の検討と材料選択の面からデバイスの極限性能を探究する.本年度は,擬ポテンシャル法を用いたバンド構造を基にフルバンド電子輸送計算を行った.その結果から,状態密度,散乱確率を求めた.散乱確率は従来のエネルギー関数のモデルではなく,波数空間遷移を考慮し,有極性光学フォノン散乱と無極性の光学フォノン散乱および音響フォノン散乱を考慮した.以上の結果をテーブルデータとして扱い,フルバンド電子輸送解析を行った.図1にウルツ鉱構造GaNのドリフト速度-電界特性を示す.解析モデルと同様の結果が得られた.また,ウルツ鉛鉱構造について,文献と比較的近い特性が得られた.したがって,昨年の報告で課題となった高電界の輸送特性の課題が解決できたと考えられる.これにより高電界効果を正しく扱うことができた.量子輸送デバイスシミュレーションに関連して,界面ラフネス散乱によるしきい値シフトの量子輸送計算の簡易モデル化などを行った.DG型,GAA型MOSデバイスにおけるシミュレーションより,しきい値シフトは,界面ラフネスによる量子準位シフトと透過率減少の2種類の機構によることが分かった.また,サブスレッショルド係数が等しい場合,DG型の方かGAA型デバイスよりしきい値シフトが半分になることも分かった.他に,SOIデバイスにおける変調音響フォノン散乱のモデル化,Si/SiO2界面の界面準位の影響を考慮したTFTのドレイン電流モデル化(図2)を行った.2-補.研究内容を示す図表を貼付してください。0200300400500Electric Field (kV/cm)1000123401( yticoleV tfirD7)s/mcWurtziteYamakawaet al.Brennan et al.024681010-1310-1210-1110-1010-910-810-710-610-510-410-310-200.20.40.60.81)A( tnerruC niarDGate Voltage (V) Measurement Our model[×10-3]Vds= 1 VVds= 10 V0.1 VVds= 0.1 VVds= 1 VVds= 10 V(a)246812468[×10-4]0)A( tnerruC niarDDrain Voltage (V) Measurement Our modelVgs= 10 VVgs= 8 VVgs= 6 VVgs= 4 VVgs= 2 V g ()(b)図1ウルツ鉱構造GaNにおけるドリフト速度の電界依存性図2新たに開発したSi/SiO2界面の界面準位の影響を考慮したTFTのドレイン電流モデル68

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