平成21年度 実績報告書
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教育研究プラットフォームIDER研究成果/IDERユニット様式 4 グ ロ ー バ ル C O E プ ロ グ ラ ム - 次 世 代 電 子 デ バ イ ス 教 育 研 究 開 発 拠 点 - 平 成 2 1 年 度 I D E R ユ ニ ッ ト 研 究 成 果 報 告 書 1. IDER ユニット 名称 等 ふりがな まつおか としまさ 役職 ユニットリーダー の氏名・役職 松岡 俊匡 准教授 所属 ( 部局・専攻・講座 ) 大阪大学大学院工学研究科電気電子情報工学専攻 集積エレクトロニクス講座 集積機能デバイス領域 連絡先 TEL 06 - 6879 - 7792 e - mail matsuoka@eei.eng.osaka - u.ac.jp ユニット名称 ( 日本語名および 英語名の両者を記 入 ) ( 日本語 ) スマート集積化センシングシステムの研究開発 ( 英語 ) Research and Development of Smart Integrated Sensing System 2.研究開発の概要 および 平成 21 年度の研究進捗状況と成果 提案した研究開発課題の背景、目的 、 および年度当初の計画について記入してください 。 また、 提案した研究 内容に関する進捗状況、成果について自由に記述してください。 背景および目的: 環境管理や医療分野などにおける ユビキタスセンシング ・ 多機 能センシングを可能にす るスマート 集積化 センシングシステムの開発 を目的として , カーボンナノチューブ( CNT )などの新規セン シング材料をコア材料とした 材料創製・評価技術や微小電気機械システム( MEMS )技術、 及び 無線通信・ 給電回路技術、低電力センサ回路などの集積回路技術など、 各分野の 専門家が連携して研究開発を行う 。 平成 21 年度計画: 実用化に向けたガスセンシングシステムの試作と IDER 再構築の検討 ・ガスセンシングデバイスの大気環境、半導体生産模擬ラインにおける基礎評価を 行う 。 ・製品化、量産化を目指したガス センシングデバイス用回路の高性能化、低消費電力化、及び無線インタ フェース部の回路設計・回路シミュレーション、ならびにスマート集積化センシングシステムのプロトタ イプの試作を実施する。 ・新たな IDER の形成を視野に入れて、異なるセンシング材料、原理で動作するセンシングデバイス(原子 間力を利用したフォースセンシングデバイスや超音波を利用した MEMS センシングデバイスなど)を検討す る。 進捗状況,成果: ・ PLD(Pulsed L aser D eposition ) により酸化膜を被膜した SWNT ガスセンサーを作製し、 As - grown SWNT に 比べ NO 2 に対する感度が向上し、センサの安定性も向上することを実証した。感度向上の要因は、被膜し た酸化膜の酸素欠陥への NO 2 の吸着によって電荷移動量が増大する効果によるものである。 ・ プロトタイプとしての モジュール化のため、昨年度試作した CNT ガスセンサー向け抵抗読み出し集積 回路 (0.35 µm CMOS プロセス ) を パッケージング工程まで実施。 本多サブリーダ転出に伴い、 プロトタイプ の試作 の継続、中断。 ・ 新規スマート集積化センシングシステムへの応用として、 CMOS 集積回路による微 粒子操作技術の検討 を開始。 CMOS デジタル回路による駆動が可能なパルス駆動誘電泳動の基礎実験を行い、その可能性を確 認した。 ・新規スマート集積化センシングシステムへの応用例として、繊維状イオン交換膜を用いたセンシング技 術において、 DC 電界の印加によってこれまでよりも高感度に検出できることを確認した。 ・センシングシステムを駆動するための電力供給方法として、圧電方式を用いたエナージハーベスティン グを検討しはじめた。この技術は、携帯電子機器において、発電した電力を二次電池にフィードバックす るもので、長時間の稼動 が可能となる。これまで、有機の圧電膜( PVDF 系)を用いて、音声帯域での振 動発電に適した材料の開発に成功し、携帯電話等への応用を考えている。今後、この新規材料を MEMS に 搭載し、発電デバイスとしての実用試験を行う予定である 。 66

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