平成21年度 実績報告書
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教育研究プラットフォームIDER研究成果/IDERユニット様式4グローバルCOEプログラム-次世代電子デバイス教育研究開発拠点-平成21年度IDERユニット研究成果報告書1.IDERユニット名称等ふりがなおくのひろつぐ役職ユニットリーダーの氏名・役職奥野弘嗣助教所属(部局・専攻・講座)工学研究科・電気電子情報工学専攻・集積エレクトロニクス講座連絡先TEL(内)3604e-mailh-okuno@eei.eng.osaka-u.ac.jpユニット名称(日本語名および英語名の両者を記入)(日本語)生体に学んだ知能視覚センサシステム研究開発ユニット(英語)Research and development unit of bio-inspired intelligent image sensorsystems2.研究開発の概要および平成21年度の研究進捗状況と成果提案した研究開発課題の背景、目的、および年度当初の計画について記入してください。また、提案した研究内容に関する進捗状況、成果について自由に記述してください。【背景・目的】本ユニットにおける研究の目的は,生体の優れた視覚情報処理に学んだ知能視覚センサシステムを開発することであり,システムの応用先としては,(1)生体計測システム,及び(2)ロボットビジョン等の工学的応用である.生体に学んだ視覚センサシステムの開発は,当然ながら医学・生物学的な知見に制限されるため,より良い生体模倣システムを開発していくためには,医学・生物学的な研究を進める事も重要である.本研究は,工学の立場から医学・生物学の発展を押し進めると共に,その発展によって得られた成果を工学的応用として社会に還元していく.【進捗状況】<バイオイメージセンサの試作>昨年度までに購入していた高速CMOSイメージセンサチップを利用したイメージングシステムを構築した.CMOSイメージセンサチップをマウントするプリント基板を設計・製作し,画像処理用FGPAボードと組み合わせることで,リアルタイム画像解析機能付きのバイオイメージングシステムを構築した(図1).<バイオイメージング>試作したイメージングシステムを用いて,実際に生体活動の動的イメージングを行った.試料としては,マウス視覚野のスライスを用い,細胞内のカルシウム濃度によって蛍光強度の変化する色素を利用して,細胞活動の計測を試みた.しかしながら,現状のセンサチップでは,生体を計測するのに十分な感度が確保できず,微小な蛍光量変化はノイズに埋もれてしまった.センサに求められる量子効率は,最低でも50%は必要であると考えられる.<信号変換>バイオイメージングには不可欠の高精度ADCとして,パイプライン型の,小面積化,低消費電力化するための研究開発を行った.また,本提案のシステムはアナログ・ディジタル混在型システムであるため,アナログ信号を効率よく増幅するためのVariable Gain Amplifier(VGA)を開発した(図2).<画像解析手法とハードウェア化の検討>細胞領域の同定に客観的な基準を導入したロバストな自動画像解析ソフトウエア“Fluoro Image Analyzer”(昨年度開発)のハードウェア化へ向けた検討を行った(図3).“Fluoro Image Analyzer”はサイズの大きなガウシアンフィルタを複数回利用するため,ソフトウェアではリアルタイム化が極めて困難である.ガウシアンフィルタを効率よく行うことにより,本ソフトウェアのアルゴリズムのリアルタイム化が期待できる.この部分を(1)純抵抗とスイッチのネットワークで実現する方法と,(2)CMOSネットワークで実現する方法の2案が提案された.62

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