平成21年度 実績報告書
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研究部門成果報告評価解析支援部門参考文献[1] N. Mori and H. Minari, Japanese Journal of Applied Physics, 49, 04DC05 (2010).[2] G. Mil’nikov, N. Mori, and Y. Kamakura, Physical Review B, 79, 235337 (2009).[3] H. Minari and N. Mori, Japanese Journal of Applied Physics, 49, 04DN04 (2010).[4] N. Mori, H. Minari, S. Uno, H. Mizuta, and N. Koshida, International Symposium on Atom-scale Silicon Hybrid Nanotechnologies for`More-than- Moore’ and `Beyond-CMOS’ Era, Southampton, UK, March 1-2, 2010 (invited).[5] S. Uno, D. Yong, and N. Mori, Physical Review B, 79, 235328 (2009).図3 ナノシリコン列からの準弾道電子放出図4 GNRの光学フォノン放出確率5. グラフェンナノリボンにおける電子-フォノン相互作用の原子論的モデリング グラフェンナノリボン(GNR)において、変調光学フォノンによる電子の散乱確率を計算し、バルクフォノンモデルの結果と比較した。その結果、もっとも端に存在する原子において、両者に顕著な違いを見出した (図4)。行列理論に基づく原子論的計算手法を新たに開発した 。また、ナノワイヤトランジスタの原子論的シミュレーションから、ホール輸送において、オフバレーが重要な役割を演じることを見出した(図2、3) 。[2]3. ナノシリコン列における電子輸送のモンテカルロシミュレーション ナノシリコン列準弾道電子放出源がディスプレーや電子ビーム露光装置などに応用されている。準弾道電子放出の物理的メカニズムを明らかにし、デバイス構造の最適化を行うため、ナノシリコン列における準弾道電子放出のモデル化を行なった(図3)。その結果、初期加速領域が存在し、そこを抜け出ると、短いトンネル時間・準連続状態となるため、隣り合うナノシリコン間を弾道的に飛び移ることが可能となり、最終的に準弾道的な電子放出となることが分かった 。[4]4. シリコンナノ構造における電子-フォノン相互作用 ナノデバイスにおけるフォノン輸送と電子輸送をつなぐ電子フォノン相互作用の普遍的理解を得るため、ナノワイヤ構造での電子・音響フォノン相互作用の強度指標となる形状因子の詳細な計算を行った 。電子波動関数にゲート電圧印加による変調の効果を取り込み、音響フォノンとしてシリコン/SiO2酸化膜構造での変調音響フォノンを用いた。変調音響フォノンを用いる事で形状因子が増加し、増加率は、ゲート電圧印加による電子波動関数の変調効果を取り込むことでさらに増加することが明らかになった。[5]Band EdgeWEnergy (eV)22.12.2Scattering Rate (ps-1)0100200050100150200−20−15−10−50Quantum Dot IndexEnergy (eV)Monte Carlo SimulationForward TunnelBackward TunnelPhonon EmissionEloss0Electron DistributionVa = 20 VVa = 18 V[3]49

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