平成21年度 実績報告書
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研究部門成果報告材料開発支援部門図2 ポリマー発光素子の特性図3 有機発光トランジスタの素子構造と種々のフルオレン系有機半導体材料の正孔移動度と電子移動度 参考文献[1] D. Kasama, R. Takata, H. Kajii, Y. Ohmori, Thin Solid Films, 518, 559 (2009).[2] H. Kajii, K. Koiwai, Y. Hirose, Y. Ohmori, Organic Electronics., 11, 509 (2010).[3] Y. Ohmori, H. Kajii, Proceedings of IEEE, 97, 1627 (2009).2.3 ポリマー材料を用いた有機発光トランジスタの研究 インジウム錫酸化物(ITO)は大気中で比較的安定であり、有機ELに代表される有機デバイスにおいて一般的に正孔注入電極として用いられる。しかし、ITOはn型半導体であることから電子注入電極としても使用可能であることに着目して、電子と正孔の両方をキャリアとして持つ両性有機トランジスタのソース・ドレイン電極として用い、トップゲート構造素子におけるトランジスタ特性の検討を行った 。安定なITO電極をソース・ドレイン電極として用いることで種々のフルオレン骨格を有する共役ポリマー材料で両性特性を有することが明らかになった。(図3)特に両性が観測された場合、ゲート電圧により制御可能なF8, F8BTとF8T2にそれぞれの禁止帯幅に相当する青色、黄緑色と黄色発光が観測され、薄膜の蛍光スペクトルとほぼ一致した。有機半導体の最高被占軌道(HOMO)及び最低空軌道(LUMO)の中間に真空準位を持つITO電極を用いたことで、有機半導体層へ電子と正孔の両方を注入することが可能となることから、適切なゲート電圧を印加することによって有機半導体層に正孔と電子が同時に注入され、絶縁膜/有機半導体層界面での再結合により発光が生じたことによるものである。すなわち、ITO電極を用いることによりフルオレン系共役ポリマーによる有機発光トランジスタを実現した。3. 今後の展開 印刷技術で作製可能なフレキシブル有機エレクトロニクスデバイスの実現に向け、低分子系の高移動度アモルファス材料や高分子系のフルオレン系材料を用いた有機ELについて紹介した。これらの素子は、高速の応答を用いた光通信への用途3)も期待できる。当研究室では、有機デバイスの高機能化とそのデバイス物理を明らかにする研究を進めている。それら成果を基にして、次世代電子システムの構築に向けたシーズを提案していきたい。換素子として用い、駆動方法の検討することでポリマー光ファイバーを用いて鮮明な動画を光伝送することが実現できた。 ) 2)+',+',+&+&+&+&363-4+',+',+&+&+&+&55+',+',+',+',5+*+3&+3&+5CN-+',+',+&+&+&+&+',+',+&+&+&+&55+',+',-3-3+',+',5+*+3&+3&+5-----3-3-3-4cmcmcmcmcmcm-345

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