平成21年度 実績報告書
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研究部門成果報告センシングデバイス部門図3 有機 P(VDF-TeFE)膜を用いた圧電発電素子の構造主な関連論文リスト[1]H.Aoki, T.Masuzumi, M.Hara, D.Watanabe, C.Kimura and T.Sugino, Thin Solid Films, Vol.518, (2010)2102.[2]H.Aoki, D.Watanabe, N.Ooi, J.H.Jeong, C.Kimura and T.Sugino, Jpn. J. Appl. Phys. 48 (2009) 04C019.[3]J.H.Jeong, C.Kimura, H.Aoki and T.Sugino, Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 04DK23. [4]E.Kubo, N.Ooi, H.Aoki, D.Watanabe, J.H.Jeong, C.Kimura and T.Sugino, Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 04DB17.[5]M.Honjo, N.Komatsu, T.Masuzumi, H.Aoki, D.Watanabe, C.Kimura and T.Sugino, Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 04DA13. [6]T.Futatsuki, T.Oe, H.Aoki, N.Komatsu, C.Kimura and T.Sugino, Jpn. J. Appl. Phys.49 (2010) 04DF18.[7]N.Komatsu, K.Masumoto, H.Aoki, C.Kimura and T.Sugino, Appl. Surf. Sci.256 (2010)1803.[8]T.Sugino, J.Kikuchi, S.Kawai, C.Kimura, H.Aoki, Diamond and Related Materials, 19 (2010) 545–547.[9]C.Kimura, S.Kawai, K.Takizawa, Y.Horikawa, H.Aoki and T.Sugino, J. Vac. Sci. Tech. B,Vol.27, No.2(2009) 744.[10]S.Hotta, H.Aoki, K.Kumeta, Y.Hata, C.Kimura and T.Sugino, Jpn. J. Appl. Phys. 48 (2009) 04C183.5. ディスプレー用の高性能電子源および無機エレクトロルミネッセンス(EL)の研究開発 高性能なフィールドエミッションディスプレーに向け、窒化ホウ素炭素(BCN)の冷陰極への応用を検討しています。今回、ドット配列を施しBCN薄膜コーティングしたSiエミッタは、しきい値電界が改善できることを明らかにした。 無機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイスに用いられる希土類の発光は、容易に大面積化できる安価な面光源として魅力的です。TbドープAlBNO薄膜を検討し、アニール処理により発光強度が増加することを明らかにしました。 6. イオン交換膜による環境センサの研究開発 健康管理や環境管理において、飲料水や環境汚染の検査を微量で高感度にセンシングできることが益々重要になってきています。我々はこれまで、多孔質イオン交換膜を用いて、高感度で容易に無機イオンやアミノ酸が検知できることを報告してきました。この交換膜は、各種イオン吸着により膜の伝導性が変化する様子を膜のインピーダンス変化として捕らえることが出来ます。 最近では、小型デバイス化を想定し、乾燥に強く、膜の安定性にも優れる材料として、繊維状イオン交換膜の検討も進めています。陽イオンと陰イオン薄膜を積層できる上、DC印加も構造上容易となるため、更に高感度化できることを見出しています。 一方、吸着したイオンを脱離し、再生される技術にも取り組み、DCの逆バイアスや遠心操作によってイオンが脱離することを見出しました。このような再生化技術により、材料のリサイクルが可能となり、低コスト化が図れます。とその材料の研究を進めています。圧電方式では、環境にやさしい有機材料として圧電有機重合体 P(VDF-TeFE)に着目し、音声周波数に応答しやすい膜質を研究しています。(図3) 一方、電磁誘導方式では、スパイラル(渦巻き状)マイクロコイルをフレキシブル基板上に作製し、基本的な発電性能を確認してきました。銅配線や磁性体膜をめっきで形成した後、膜質改善のための高温アニール処理が必要となりますが、フレキシブル基板上では、高温処理が困難です。そこで、電解めっき中に、垂直に磁場を印加する電磁場めっき技術を考案し、アニール処理を施すことなく、銅膜や磁性体(パーマロイ)膜の膜質を高められることを明らかにしました。 携帯用燃料電池として、我々は、引火性がない粉末のギ酸アンモニウム燃料を提案し検討しています。今回、粉末燃料を寒天に溶解して固形化することを考案し、水分と接触させることで、徐々に放出し燃料として供給することに成功しました。4. パワーデバイス用SiC半導体のHigh-K絶縁膜および界面処理の研究開発 ワイドバンドギャップ半導体(SiC)のゲート絶縁膜として、高温動作時にリークを抑制できるAl系酸化膜の高誘電率(High-K)を検討しています。特にSiCの場合、絶縁膜との界面が重要となるため、AlN層をバッファー層として挿入した、AlSiON/ AlN/n-SiC(4H)構造について検討し、従来よりも良好な界面を形成できることを明らかにしました。また、誘電率が高いが耐水性が低いLaAlO膜について、我々は、非水系のウエットプロセスを提案し、膜質の電気的特性が劣化しないことを明らかにしました。 更に、低温で効果的な酸化方法として、非常に酸化力が高い超臨界水(~400℃、22MPa)を用いた、SiCの酸化を検討し、この低温酸化により界面のラフネスは大きく改善できることを明らかにしました。 P(VDFP(VDF--TeFETeFE))P(VDFP(VDF--TeFETeFE))23

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