平成19年度実績報告書
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次世代高効率有機光電デバイス創製ユニット ユニットリーダーの氏名・所属 氏名 役職 所属(部局・専攻・講座) 藤井 彰彦 准教授 工学研究科・電気電子情報工学専攻・エレクトロニクスデバイス講座 ユニットの概要 本ユニットでは、有機光電デバイスの基礎物性の解明及び光電変換デバイス応用を目的としている。特に有機物質中の励起子拡散長以下のナノ構造を制御した作製要素技術を確立し、その微細な相互浸透型の積層構造において、ドナー層、アクセプタ層内の微結晶化もしくは高配向化した構造となるための作製技術を開発し、光電変換効率の大幅な改善を行うと共に、次世代有機光電デバイスの創製を図る。 研究背景 および目的 共役ポリマー及びフラーレンは、共役π電子系による特異な性質を有し、基礎科学および機能応用の面からも注目されている。フラーレンは共役ポリマーとの相互作用により、超高速の光誘起電荷移動を示し、高効率の光電デバイス応用へと発展するものと考えられている。 有機光電デバイスにおいて効率的な光電変換を得るためには、ドナー/アクセプタ界面面積が大きい上に、電荷輸送経路が確保されている必要があるが、従来技術では、200-300ナノメートルの薄膜中にドナー分子とアクセプタ分子のネットワーク形成において効率的な光誘起電荷分離と電荷輸送の両立が困難であった。 申請者は独自の積層技術により共役ポリマー/フラーレン相互浸透界面を簡便に作製することに成功している。また、相互浸透界面をサブミクロンサイズ以下で制御する技術を開発、導入することで、共役ポリマー−フラーレン積層構造光電変換デバイスの飛躍的な性能の向上を実証してきた。共役ポリマー/フラーレン分子界面制御を検討することにより、単なる高効率化の模索ではなく、原理解明に基づく将来性の開拓を図ることができると考えられ、次世代有機光電デバイスへの展開につながるものと考えられる。 そこで、本研究では、共役ポリマー/フラーレン分子界面構造のサイズが励起子拡散長以下に相当するスケールとするための作製要素技術を確立し、その微細な界面構造において、ドナー層、アクセプタ層内の微結晶化もしくは高配向化した構造となるための作製技術を開発し、光電変換特性の大幅な改善を行う。さらに有機/金属界面、電荷取出層の挿入、有機/無機ハイブリッド層の導入、金属電極、基板形状などの検討を行い、次世代有機光電デバイスの創製を図る。 IDERユニットの構成 氏 名 役 職 所 属 [ユニットリーダー] 藤井 彰彦 [ユニットメンバー] 渡邊 聖彦 Kittichungchit Varutt 吉村 政志 阿部 真之 Feng Wei Ju Xiaohui Rahmat Hidayat 阪井 淳 清水 洋 三宅 康雄 [ユニットアドバイザー] 尾崎 雅則 准教授 M1 M1 准教授 准教授 教授 D2 助手 副参事 研究グループ長 M2 教授 電気電子情報工学専攻 電気電子情報工学専攻 電気電子情報工学専攻 電気電子情報工学専攻 電気電子情報工学専攻 天津大学(中国) 天津大学(中国) バンドン工科大学(インドネシア) 松下電工 産業技術総合研究所 大阪電気通信大学 電気電子情報工学専攻 92

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