平成19年度実績報告書
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結晶粒界接合特性改善による高品質高温超伝導SQUID開発 ユニットリーダーの氏名・所属 氏名 役職 所属(部局・専攻・講座) 牧 哲朗 助 教 大学院基礎工学研究科・システム創成専攻・量子機能エレクトロニクス講座 ユニットの概要 SQUID(超伝導量子干渉素子)は超伝導リングとジョセフソン接合から構成される超高感度磁気センサである.このジョセフソン接合の品質によってSQUID磁気感度特性は大きく影響を受ける.本ユニットは,HTS(高温超伝導)-SQUIDの感度特性を決定的に決めているジョセフソン接合部のGB(結晶粒界)において,その欠陥部分の評価を行い,欠陥を大幅に改善する方法を確立する.これにより,HTS-SQUIDの高性能化に資する. 研究背景 および目的 本ユニットメンバーらはバイクリスタル基板を用いることにより,YBCO超伝導薄膜の堆積から微細加工まで一貫して行い,良好な感度レベルのSQUIDの作製に成功した.ここで,SQUID接合特性の劣化,ならびに歩留まりを低下させている原因の一つに,バイクリスタル基板の結晶粒界に存在する欠陥による可能性を突き止めた.FE-SEM(電界放射型走査型電子顕微鏡)評価から,基板表面において数10~100nmオーダの欠陥が,結晶粒界に沿って数µm間隔おきに観察された.さらにこの結晶粒界上に沿って,YBCO薄膜接合部に約500nm程度の欠陥が観察された.このことから,この基板表面の結晶粒界に存在する欠陥が,その上に堆積する薄膜の欠陥を引き起こしている可能性が推測できた.平成19年度は,この結晶粒界に存在する欠陥の状態・性質を調べ,この欠陥の補償方法を検討することを目的とする. IDERユニットの構成 氏 名 役 職 所 属 [ユニットリーダー] 牧 哲朗 [ユニットメンバー] 中谷 悦啓 阿部 真之 松岡 俊匡 [ユニットアドバイザー] 糸崎 秀夫 助教 M2 准教授 准教授 教授 基礎工学研究科・システム創成専攻 基礎工学研究科・システム創成専攻 電気電子情報工学専攻 電気電子情報工学専攻 基礎工学研究科・システム創成専攻 90

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