平成19年度実績報告書
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革新的電子デバイス材料探索ユニット ユニットリーダーの氏名・所属 氏名 役職 所属(部局・専攻・講座) 尾崎 典雅 助教 工学研究科・電気電子情報工学専攻・先進電磁エネルギー工学講座 ユニットの概要 本ユニットでは、新デバイスをドライブしうる新物質の創成を目指す。高強度レーザーを用いた動的圧縮法を利用して、これまで実証されていなかった半導体・絶縁体の金属転移を実現、および状態のその場診断を行う。そのための新しい圧縮方法や診断技術の開発を行う。高圧相凍結や、材料表面改質・処理などの応用研究を行い、物性分析評価を行う。また、未解明である超高圧力(+高温度)からの解放過程、凍結の物理過程を明らかにする。 研究背景 および目的 社会に急激に浸透し大きな変革をもたらす“新デバイス”の背景には、新材料の登場がしばしばトリガーとなっている。多様化する社会の要請に応え得る全く新しい電子デバイスを創造するために、全く新しい物質の発現が極めて効果的である。 物質を加圧して構造相転移を誘起し最外郭電子が非局在化すると、常温常圧で絶縁体である物質においても金属化が促される。静水圧縮ベースでは、圧力の解放過程が緩やかすぎるために高圧相を常圧下で取り出せない。一方、衝撃波圧縮のような動的方法では、極めて鋭い立ち上がりで加圧が行われ、且つ加圧後の圧力・温度パルスの急激な減衰を伴うので、物質の高圧相が唯一凍結され得るユニークな方法であるといえる。 高強度レーザーを用いた動圧縮法では、従来法では実現できない極端に高い圧力を物質内部に生成できる。レーザーパルスを制御することによりその加圧・除荷過程を有効にコントロールできることが従来の手法にはない特徴であり、高圧相凍結には有効な可能性が高い。さらに、レーザー光によるこの過程は非接触であり、集光照射された微小空間のみへ作用させることができる。すなわち、バルク物質表面または内部にさえ、金属サイトを直接作り出すことが原理的に可能である。この金属相は、新しい電気的特性、機械的特性を持つデバイス材料となる可能性がある。 本研究では、申請者らがこれまで行ってきた高強度レーザーを用いた動的圧縮法により、実験的に実証されていない絶縁体・半導体の金属転移を実現、および状態のその場診断を行う。常圧で固相のままとどめることを目指して、新しい圧縮技術の確立を行う。そこで生成された物質状態を実時間空間で計測するため、診断技術の開発を行う。圧縮過程の物性のみならず解放・凍結過程の物性を明らかにして、デバイス材料科学への応用を目指す。 IDERユニットの構成 氏 名 役 職所 属 氏 名 役 職所 属 [ユニットリーダー] 尾崎 典雅 [ユニットメンバー] 中村 浩隆 柴田 一範 木村 友亮 宮西 宏併 遠藤 恭 川村史朗 佐野 智一 寺井 智之 小林 敬道 坂田 修身 藤岡 慎介 助教 D4 D2 D1 M2 M1 特任研究員 講師 助教 研究員 主幹研究員 助教 電気電子情報工学専攻 電気電子情報工学専攻電気電子情報工学専攻電気電子情報工学専攻電気電子情報工学専攻電気電子情報工学専攻電気電子情報工学専攻 マテリアル生産科学専攻 マテリアル生産科学専攻 物質・材料研究機構 高輝度光科学研究センター レーザーエネルギー学研究センター 田辺 実 Alessandra BENUZZI-Mounaix Tommaso VINCI Raymond SMITH John Eggert Thibaut de Resseguier [ユニットアドバイザ] 兒玉 了祐 D2 研究員 PD 研究員 研究員 研究員 教授 レーザーエネルギー学研究センター エコールポリテクニーク CEA ローレンスリバモア研 ローレンスリバモア研 仏航空工科大 電気電子情報工学専攻 88

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