平成19年度実績報告書
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次世代ワイドギャップ半導体研究ユニット ユニットリーダーの氏名・所属 氏名 役職 所属(部局・専攻・講座) 木村 千春 助教 工学研究科・電気電子情報工学専攻・ エレクトロニクスデバイス講座(杉野研究室)ユニットの概要 大阪大学で開発した窒化物半導体の液相成長法をコア技術とし、低転位密度で無歪・無極性なGaN半導体基板の作製を試みる。次世代の高周波デバイス、高効率パワーデバイスの実現を目指し、作製した結晶の基礎物性評価(内部欠陥、電気特性、表面界面等)、新型デバイス用のMIS構造設計、デバイス特性評価までをユニット内で補完的に実施する。また、国内関連企業とも連携し、実用化を念頭に入れた高い指向性のユニット構築を目指す。 研究背景 および目的 窒化物系化合物半導体は、従来のSiやGaAsに比べて、高速・高周波・高耐圧・低損失などの優れた電子物性を併せもつことが知られており、情報通信やエネルギーエレクトロニクス分野でのデバイス応用が期待されている。一方、1)ノーマリーオフ動作を含むしきい値電圧の制御、2)数百ボルト以上のスイッチング用デバイスの開発、3)オン抵抗の低減、4)高周波動作に適したデバイス構造の検討、5)異種材料基板上での結晶成長に起因する転位や結晶欠陥のデバイス特性への影響など、多くの技術課題が存在している。開発が遅れている原因の1つに、異種材料や高転位密度の有極性基板上にデバイス作製を行ってきたことが挙げられる。提案者らはGaN結晶の育成方法としてNaフラックスを用いた液相エピタキシャル(Liquid Phase Epitaxy: LPE)成長を試み、気相法のGaN薄膜基板よりも転位密度が自発的に4桁以上減少する成長機構を見出した。さらに、無極性なa面GaN成長でも同様の結晶性向上を確認しており、これら新しい高品質基板を用いることで高周波デバイス、パワーデバイスの飛躍的な性能向上が期待できる。本ユニットでは、基板のさらなる高度化や産業化に向けた結晶成長技術の開発を進めながら、各メンバーが独自に研究開発し、高度技術として確立している、内部欠陥評価、電気特性評価、表面界面評価などを通して新しい基板の基礎物性特性を明らかにする。また、GaN等のワイドバンドギャップ用の絶縁膜層の材料検討、作製技術の開発も行う。福井大学においては、新しい基板を用いたFETデバイス構造の作製と特性評価までを実施する。本ユニットでは、低転位密度で無歪・無極性なGaN基板を用いてノーマリーオフ型のダブルヘテロ接合FETの実現を目指すことと、本開発基板を用いることで初めて実現できる新構造デバイスの開発を連携目標とする。 IDERユニットの構成 氏 名 役 職 所 属 氏 名 役 職 所 属 [ユニットリーダー] 木村 千春 [ユニットメンバー] 川村 史朗 今出 完 小椋 隆史 反保 昌城 別所 公博 北野 芳裕 山田 憲秀 勝池 悟史 岸本 博希 助教 特任研究員 特任研究員 M2 M2 M2 M1 M1 B4 B4 杉野研究室 森研究室 森研究室 森研究室 森研究室 森研究室 森研究室 森研究室 森研究室 森研究室 上村 昌弘 首藤 浩文 小松 直佳 曽田 浩司 松ノ内 恵子 毎田 修 塩島 謙次 酒井 亮輔 南 慎治 [ユニットアドバイザー]杉野 隆 B4 D1 M2 M1 M1 助教 准教授 M1 M1 教授 森研究室 片山研究室 杉野研究室 杉野研究室 杉野研究室 伊藤研究室 葛原研究室 葛原研究室 葛原研究室 70

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