平成19年度実績報告書
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1.1 拠点形成の目的 ユビキタス社会の電子機器は超小型・軽量・低消費電力にして大容量・超高速な処理が求められるため、超高集積・高機能な電子デバイスの開発が不可欠となっている。さらに、資源の枯渇・地球温暖化への配慮から、高効率・低環境負荷の人間調和型電子デバイス、安心安全なディペンダブル社会を支える高信頼性電子デバイスが切望されている。多様化する社会の要請を満足する電子デバイス実現のためには、既存の概念を超越した画期的な材料の出現と、従来の半導体微細加工の限界を破る新たなプロセス手法の開拓が不可欠である。 一方、急速に発展するエレクトロニクス分野においては、企業は熾烈な国内外との競争に勝ち抜くために、高リスクなイノベーション指向の研究を避けがちである。他方、大学では多岐にわたる基礎研究を展開しているにもかかわらず、実用化に至った技術シーズは多くないのが現状である。これは、基礎的研究成果を実際のイノベーションに繋げる人材が、海外と比べ決定的に不足していることに起因している。 本拠点では、新しい教育研究プラットフォームとして「Innovation-oriented Dynamic Education and Research(IDER)ユニット群」を構築し、我々が有する世界に冠たる卓越したシーズ、すなわち、新しい半導体材料・光学材料・有機材料といった「新材料」と、新原子操作技術・新光源・新結晶育成技術などの「新手法」をテクノロジー・ブースターとして、上記社会的要請に応えうる次世代電子デバイスの研究開発と人材育成を同時に実践する。補完型異分野連携のコンセプトに基づいて世界唯一の新材料創製技術と世界一の新手法をもつ研究集団を組み合わせ、研究分野・階層(材料・デバイス・システム)・組織の壁を取り去った機動的な研究ユニットを教育研究のプラットフォームとすることで、次世代電子デバイスをデザイン・創出できる人材育成を目指す。 次世代電子デバイス教育研究開発拠点融合研究組織IDERユニット材料開発評価・解析スマート・インテグレーションセンシングデバイスフォトニックデバイスパワーデバイス材料・評価部門インテグレーション部門デバイス開発部門電子デバイスイノベーションを創出できる人材育成世界に通用する真の“Dr. of Philosophy”「安心安全社会」「低環境負荷社会」「高信頼性社会」の実現次世代電子デバイスの開発卓越した研究シーズインキュベーションステージ(IDERの成立)スクラップ・ビルドステージ(連鎖の再構築)イノベーションステージ(イノベーション推進)1 拠点概要 4

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