平成19年度実績報告書
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2.3.3 光波・マイクロ波グループ岡村康行基礎工学研究科 システム創成専攻・教授2.3.3.1 はじめに 光波・マイクロ波グループでは、散乱光を用いた生体やコロイドなどの多重散乱媒質内部の光計測,光の波長オーダで屈折率や構造が周期的に変化したフォトニクス結晶の光集積回路デバイス応用,電波と光波の融合通信に不可欠なマイクロ波フォトニクス,大容量光通信に必要な超高速光制御デバイスなどの光技術,および,使用環境に適応して特性を調整可能なアンテナに関する研究、RFIDや無線送電、位置計測などの電波応用技術などの無線技術,さらに,これら技術を融合し,来るべき「ユビキタスネットワーク」構築に寄与すべく研究に取り組んでいる。2.3.3.2 ランダム媒質における波動伝搬と光計測に関する研究 生体やコロイド,エンジニアリングプラスチックなどの多重散乱媒質内部を伝搬する電磁波の理論解析,および散乱媒質内部を散乱する光波としての性質を積極的に用いたイメージング・計測を行っている.擬似生体試料を用いた検証実験により新たに示した理論の有効性を確認している[1].2.3.3.3 フォトニクス結晶の光制御デバイスへの応用 誘電体内部に光の波長オーダの周期構造を有する人工的な結晶としてフォトニクス結晶を導波形光デバイスへ応用することを目的として理論,実験の両面から研究を行っている.機能デバイスを実現する上で重要な,ニオブ酸リチウム強誘電体薄膜上に2次元的に周期構造を形成することに成功している.2.3.3.4 マイクロ波フォトニクス 次世代移動体通信のかなめであるRadio-on-Fiberシステムとそのために要素技術である光波とマイクロ波とを融合したマイクロ波フォトニクに関する研究を行っている.これまでに分極反転構造導波電気光学SSB変調器を用いた38GH帯高周波信号の光ファイバによる長距離伝送に成功し,SSB変調器のシステムへの有効性を確認している.また,図2.3.3.1に示すような,強誘電体LiTaO3結晶を基板とし,Niを拡散した光導波路とLiTaO3の分極反転構造を利用した高速偏光変調器を提案し,その動作確認フォトニックデバイス部門 図2.3.3.1 高速偏光変調器 図2.3.3.2 偏光変調器の変調度マイクロ波周波数特性 36

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