平成19年度実績報告書
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2.2.3 半導体バイオセンサ 杉野隆電気電子情報工学専攻・教授2.2.3.1 はじめに ITを支える電子デバイス,バイオやエコをコントロールするためのセンサデバイスは,いずれも界面,表面の制御がキーテクノロジーとなります.当研究室では,ナノ表面を制御した機能デバイス・材料の研究開発を行い,実用デバイスへの橋渡しをしています.2.2.3.2 Low-K(低誘電率)絶縁膜の研究開発と半導体集積回路への応用 我々は,高速LSI配線の低誘電率(LowK)層間膜向けにBCN(ホウ素-炭素-窒素)材料を研究開発しています.6インチのBCN成膜装置を立ち上げ,LowK膜として最適な成膜条件およびその膜物性を検討し2.2.3.3 パワーデバイス用ワイドバンドギャップ半導体表面の不活性化技術,HighK-MIS用絶縁膜の研究開発 今後のパワーデバイスを支える半導体として,SiCやGaNが研究開発され,パワーMOSFETは高温で高性能動作が要求されています. 我々は,誘電率が高く(HighK),バンドギャップ(Eg)も大きい材料とし Porous film010203040501234DIELECTRIC CONSTANTYOUNG MODULUS (GPa)SiOFMSQSiOCMethylBNOur approachConventionalLowKTargetPorous film010203040501234DIELECTRIC CONSTANTYOUNG MODULUS (GPa)SiOFMSQSiOCMethylBNOur approachConventionalLowKTargetています.また,BCN系膜の新たな展開として,TMAB(トリスジメチルアミノボロン:TMAB)ガスを用いてメチルBN膜を成膜することに成功しました. 膜中にメチル基を含むことによりBCN膜よりも安定して誘電率を低減でき,従来のLowK膜よりも機械的強度(ヤング率)が高いことを明らかにしました. 更に, 実際にCu配線をインテグレーションする場合に問題となる加工ダメージの評価,そして環境に優しく安定なCu防食皮膜も提案し実用可能性の評価を進めています.て,Al系膜,Y系膜を用いてMIS構造を作製し,ゲート絶縁膜としての基礎特性を評価しました. AlSiO膜にNをドープしたAlSiON膜の方が, 高温におけるリーク電流を抑制できることを明らかにしました. また, 更なる高誘電率化を目指して Al(3価)と同じ3価のYに着目し, YAlO膜の検討も進めています. 一方, 絶縁膜と半導体との界面が重要となることから, 非常に酸化力が高い超臨界水(350℃~,322Mpa)を用いた,SiCやGaN基板の短時間,低温酸化も検討しています.図2.2.3.1 LowK膜のヤング率と誘電率℃150250℃AlSiO10-210-110010110-1010-910-810-710-610-510-410-3ELECTRIC FIELD[MV/cm]CURRENT DENSITY[A/cm2]240℃~150℃}AlSiON℃150250℃AlSiO10-210-110010110-1010-910-810-710-610-510-410-3ELECTRIC FIELD[MV/cm]CURRENT DENSITY[A/cm2]240℃~150℃}10-210-110010110-1010-910-810-710-610-510-410-3ELECTRIC FIELD[MV/cm]CURRENT DENSITY[A/cm2]240℃~150℃}AlSiON 図2.2.3.2 NドープAlSiO膜の高温におけるリーク電流の電界依存性 センシングデバイス部門22

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